こんにちは。松本デンタルオフィス東京です。
インプラントは金属でできているため、MRI検査との相性が気になるのは当然です。しかし近年では、MRIに影響しにくい素材を使ったインプラントが主流となっており、正しい知識と準備があれば、多くのケースで問題なく検査を受けることが可能です。
とはいえ、インプラントの種類や位置によっては画像に影響を与える場合もあり、事前の確認と情報共有がとても大切です。
今回は、インプラント治療後のMRI検査に関する正しい知識や注意点、歯科医院と連携する際のポイントなどを解説していきます。不安なく検査を受けるために、ぜひチェックしておきましょう。
1.こんなお悩み、ありませんか?
「インプラントを入れたあとに、MRI検査を受けても本当に大丈夫なのかな?」
「口の中に金属が入っていると、MRIに影響が出るって聞いたけど、検査できないこともあるの?」
こういった不安や疑問の声を、実際に当院へお越しになる患者様からよくお聞きします。
特に、インプラント治療が初めての方にとっては、「これから何十年と使っていく人工の歯が、健康診断や病気の検査に支障をきたすことはないのか?」という点がとても気になるところですよね。
インプラントは、骨としっかり結合する人工歯根であり、多くの場合はチタンなどの金属で作られています。
一方、MRI検査は強い磁力を使って体の内部を映し出す検査方法ですので、「金属=磁気に反応するのでは?」という心配をされる方が多いのも無理はありません。
検査時にインプラントがあることを伝えるべきか、何か特別な準備が必要なのか…と、モヤモヤした不安を抱えていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
今回は、そうした不安を少しでも解消できるように、インプラント治療後にMRIを受ける際のポイントや注意点、実際によくあるご質問への回答をわかりやすくまとめてお伝えしていきます。
どうぞご自身の健康と安心のために、参考になさってくださいね。
2.インプラント治療後にMRI検査は受けられる?
「インプラントが入っていると、MRI検査って受けられないんじゃないの?」
患者様からこういったご質問をいただくことは少なくありません。
確かに「金属=磁気に反応するから危ない」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃいますよね。
ですが、ご安心ください。インプラントを入れていても、ほとんどの場合、MRI検査は問題なく受けられます。
「インプラント=MRI検査ができない」は本当?
まず、よくある誤解ですが、
▶ インプラントが入っているからといって、MRI検査が一律にできないということはありません。
実際に、多くの患者様がインプラント治療を受けたあとでも、問題なくMRI検査を受けています。
では、なぜ「受けられないかも」と心配されることがあるのでしょうか?
それは、MRIが強い磁力を使って体内の画像を撮る検査だからです。
金属が体内にあると、磁力に反応したり、画像に乱れ(アーチファクト)を生じる可能性があるため、
「インプラントがあると検査に支障が出るかも」と考えられてしまうのです。
現在のインプラント治療とMRIの安全性
現在、歯科用インプラントに使われているのは主にチタンやチタン合金という金属です。
このチタン、実は非常に磁気に反応しにくい性質をもっていて、MRIにもほとんど影響しません。
インプラントの材質がMRI検査に影響を与えることはある?
とはいえ、「すべてのインプラントがMRIに完全に無関係か?」といえば、そうではありません。
稀にですが、古いタイプのインプラントや特殊な素材のものが使われている場合、以下のような影響が出る可能性もあります。
✅MRI検査時に起こる可能性のある影響
- 検査画像の一部に“ノイズ(アーチファクト)”が生じる
→ 特にインプラントが脳や顔面に近い位置にある場合、脳のMRIで画像が見づらくなることがあります。 - わずかな発熱や違和感を感じることがある
→ 現代のチタンインプラントでは非常にまれですが、金属の種類によっては微小な熱が生じる可能性もあります。
このような事態を避けるためにも、MRIを受ける前に「インプラントが入っていること」を必ず申告しておきましょう。
検査前に準備しておくと安心なポイント
MRI検査を受ける予定がある患者様は、以下のことを事前に確認・準備しておくと安心です。
🟢事前に行っておきたいことリスト
- 歯科医院でインプラントの材質やメーカー名を確認する
- インプラントカードがあれば、検査時に提示する
- 検査施設の問診票に「歯科インプラントあり」と記載する
- 担当の放射線技師や医師に、口腔内のインプラントについて直接伝える
MRI検査に支障があるかどうかは、インプラントの位置や検査部位にもよります。
たとえば、「足の検査」や「腰椎の検査」などであれば、インプラントがあっても影響を受けにくいです。
インプラント治療を受けたあとにMRI検査を受けることは、特別なことではありません。
3.MRI検査の仕組みとインプラントへの影響
「インプラントが入っていると、MRI検査のときに何か問題があるのでは…?」
そんなご不安の声を耳にすることがあります。
結論から言えば、現在主流となっているインプラントはMRI検査に大きな影響を与えることはほとんどありません。
とはいえ、MRI検査の仕組みを知っておくことで、不安がぐっと減るはずです。
MRI検査はどのように画像を撮影するのか?
MRI(磁気共鳴画像法)は、強力な磁石と電波(電磁波)を使って、体の内部を詳細に画像化する検査です。
レントゲンやCTと違って放射線を使わず、水分の多い組織や血管、筋肉、脳などのやわらかい部分を映すのが得意な検査法です。
✅ MRIのしくみ・ポイント
- 強力な磁場を体にかける
- 電波(ラジオ波)を照射して、体内の水素原子の反応をキャッチ
- その反応をもとに、コンピューターが画像を再構成
このような仕組みのため、体内に金属があると、磁場や電波に影響を与える可能性があるのです。
磁場の影響を受ける金属とインプラントの違い
すべての金属がMRIに影響を与えるわけではありません。
MRIに強く反応するのは「磁性金属(じせいきんぞく)」と呼ばれるものです。
代表的なのは、鉄・ニッケル・コバルトなど。これらは強い磁力を持っていて、
MRI中に動いたり、熱を持ったり、画像を乱す原因になることがあります。
一方で、歯科インプラントに使用されているのは主に「チタン」または「チタン合金」です。
このチタンは、「非磁性金属」=磁場に反応しない安全な金属として、医療用でも広く使われています。
「インプラントがあるとMRIは受けられないのでは?」とご不安な患者様も多いと思いますが、きちんと伝えておけば、問題なく、安心して検査を受けていただけます。
4.インプラントの材質とMRIの関係性
「インプラントに使われている金属って、MRI検査に影響しないの?」
「スクリューやアバットメントのパーツも大丈夫?」
患者様からこういったご質問をいただくことがよくあります。
実際、インプラントは金属製ですし、MRI検査は磁気を使うため、「何か起こるのでは」と不安に感じるのも当然です。
チタン製インプラントと磁場の関係
現在、歯科インプラントのほとんどはチタンまたはチタン合金でできています。
チタンは、磁力に反応しない「非磁性金属」として医療分野でも広く使われており、MRIにとても適した素材です。
✅ チタンの特長
- 磁場の影響を受けにくい(MRI中に動いたり熱を持ったりすることはない)
- 生体親和性が高い(身体にとってやさしく、拒絶反応が出にくい)
- 軽くて強度があるため、医療用に最適
つまり、チタン製インプラントはMRI検査を受ける際にも安全性が高いのです。
インプラントのスクリューやアバットメントがMRIに与える影響
インプラントは、単なる1本のネジではなく、いくつかの部品で構成されています。
主な構造は以下の通りです。
🦷 インプラントの基本構造
- フィクスチャー(スクリュー):顎の骨に埋め込む部分(主にチタン)
- アバットメント:フィクスチャーと人工歯(上部構造)をつなぐパーツ
- 上部構造(人工歯):歯として見える部分(セラミックなど)
これらの部品のうち、MRIに関連するのは主にフィクスチャーとアバットメントです。
🟢 スクリュー(フィクスチャー)の影響
- ほとんどの場合、MRIに影響しない
- チタン製であれば、画像に乱れが起こる可能性はごくわずか
🟢 アバットメントの影響
- 一部にジルコニアやチタン以外の金属が使われることもあるが、通常のMRIには問題なし
- 金属の種類によっては、画像にノイズ(アーチファクト)が出ることがあるが、安全性にはほぼ影響しない
つまり、現在主流のインプラント構造であれば、MRI検査で危険性はなく、画像への影響もごく限定的です。
メタルフリーインプラントの場合のMRI安全性
最近では「メタルフリーインプラント(非金属インプラント)」と呼ばれるジルコニア製のインプラントも登場しています。
ジルコニアはセラミック系の素材で、完全に金属を含まないため、MRIへの影響はさらに少ないとされています。
✅ ジルコニアインプラントのMRIにおける利点
- 非金属なので磁場の影響をまったく受けない
- 画像に乱れ(アーチファクト)が出るリスクも極めて低い
- 金属アレルギーのある患者様にも安心
とはいえ、ジルコニアインプラントはまだ普及率が低く、症例によっては使用できないこともあるため、
「MRIが不安だからメタルフリーにした方がいいか?」という判断は、歯科医師との相談が必要です。
MRI検査は体の状態を調べる大切な検査。
インプラントが入っていても、ほとんどの場合、安全に受けることができます。
5.MRI検査が影響を受けるケースとは?
「インプラントが入っていても、MRIは基本的に大丈夫」と言われても、
「本当に影響はないの?」と気になる患者様もいらっしゃると思います。
実際に、MRI検査の内容やインプラントの位置・素材によっては、多少の影響が出ることもあります。
インプラントの位置によるMRI画像のノイズ
インプラント自体がMRI検査に大きな悪影響を与えることはほとんどありませんが、
撮影する部位やインプラントの位置によっては、MRI画像に“ノイズ(画像の乱れ)”が出ることがあります。
✅特に注意が必要なケース
- インプラントが上顎の奥歯にある場合
→ 頭部(脳)のMRIで、画像の一部に影が映り込むことがあります。 - 下顎の前歯付近にインプラントがある場合
→ 顎関節や顔面の検査に影響が出る可能性があります。 - 口元や顎周囲の検査をする場合
→ 画像にアーチファクト(乱れ)が入ることがある
一方で、腰や膝、胸部などインプラントから離れた場所の検査では、まったく影響はありません。
MRIに影響が出るかどうかは、「検査する部位」と「インプラントの位置」の関係が大きなポイントです。
歯科金属や被せ物が影響を及ぼすことも
「インプラント」だけでなく、被せ物(クラウン)や詰め物に使われている金属も、MRI画像に影響を与えることがあります。
特に、銀歯やパラジウム合金などの素材は、磁性体が含まれている可能性があり、画像の乱れを引き起こすことがあります。
🦷 画像に影響を与えやすい歯科金属
- 保険適用の銀歯(パラジウム合金など)
- 古い詰め物やかぶせ物に使われている金属
- 磁石を使った入れ歯のパーツ
これらは、頭部や顔周辺のMRI検査でノイズの原因になることがあるため、注意が必要です。
✔ 対応方法
- 事前に「歯に金属が入っている」と申告する
- 必要に応じて、歯科医で素材の確認や記録を取得しておく
磁性体が含まれるインプラントの注意点
現在の主流であるチタン製のインプラントは非磁性体なので、MRIにほとんど影響しませんが、
一部の特殊なインプラント(古いタイプや海外製)では、磁性体を含んでいるものもあります。
このようなインプラントは、MRI検査中に画像を大きく乱したり、熱を持つ可能性があるため注意が必要です。
⚠ 磁性体インプラントの注意点
- 検査中に「チクチクする」「熱く感じる」といった違和感が出ることがある
- MRI機器によっては検査そのものが中止になることも
そのため、MRI検査を受ける前に、
「自分のインプラントが磁性体かどうか」を歯科医院で確認しておくことが大切です。
MRIを安全に、そして正確に受けるためには、検査前の情報提供と申告がとても大切です。
6.MRI検査前に歯科医院へ確認すべきこと
ほとんどのインプラントはMRI検査に対応しており、安全に受けることができます。
とはいえ、検査前に歯科医院で確認しておくと安心なポイントもありますので、今回はそれについてわかりやすくお話しします。
インプラントの種類や材質を知っておく重要性
MRI検査で何より大切なのは、使用されているインプラントの「素材」や「構造」です。
多くのインプラントはチタン製で、MRI検査にほとんど影響しませんが、
まれに磁性を帯びた金属や特殊な材質が使われている場合もあるため、事前に把握しておくと安心です。
✅ 押さえておきたい情報
- インプラントの材質(例:純チタン、チタン合金、ジルコニアなど)
- インプラントメーカー名(〇〇社製 など)
- 埋入された場所(上顎・下顎のどこか)
- 治療時期(いつ入れたものか)
歯科医院から医療機関へ提供できる情報とは
MRI検査を行う病院や検査センターに対して、歯科医院が提供できる情報は次のようなものです。
✅提供できる情報内容
- インプラントの材質や構造の詳細
- 使用しているメーカー名と型番
- インプラントが非磁性金属である証明(必要に応じて文書発行可能)
- インプラントがMRI対応素材である旨の説明
このような情報があることで、医師や放射線技師が正確な判断をしやすくなり、検査をよりスムーズに進められます。
事前に医師へ伝えるべきポイント
MRI検査当日に問診票などで「金属が入っていますか?」と聞かれることがありますが、
患者様ご自身で「歯にインプラントが入っています」と一言伝えていただくことがとても大切です。
🗣 医療機関へ伝えるポイント
- インプラントがある部位(例:右下奥歯)
- チタン製など、非磁性素材であること(分かる範囲でOK)
- 被せ物やブリッジ、詰め物など他の金属がある場合も伝える
万が一、特殊な金属が使われていた場合でも、事前に伝えておくことで検査の中止やリスクを避けることができます。
頭部や顎の近くを撮影する場合は、より正確な申告が必要です。
MRIは健康診断や病気の早期発見に欠かせない大切な検査です。
インプラントが入っていても、多くの場合、問題なく検査を受けることができます。
7.MRI検査時に注意するべきこと
インプラント治療を受けた患者様の中には、
「MRI検査のときに何か特別な準備が必要ですか?」
「検査中に違和感があったらどうすればいいの?」
といった不安を抱えていらっしゃる方も多くいらっしゃいます。
MRI検査は基本的に安全な検査ですが、インプラントが入っている場合には事前に確認・準備しておくとより安心です。
検査前にインプラントの有無を申告する理由
まず大前提として、MRI検査を受ける際は、必ず「歯科インプラントが入っていること」を申告してください。
MRIは磁気を使った検査です。現在主流のチタン製インプラントであればほとんど影響はありませんが、
医療スタッフが状況を正しく把握しておくことで、より安全に、そして正確に検査を行うことができます。
✅ 申告することで得られるメリット
- 検査スタッフが適切な設定や注意を行える
- 画像に影響が出る部位を事前に把握しておける
- 万が一特殊な金属が使用されていた場合にも、対応が可能になる
申告は問診票に記入するだけでなく、口頭でも伝えていただけるとより確実です。
検査中に違和感を感じた場合の対処法
MRI検査中は、強い磁場や音が発生します。
通常はまったく問題ありませんが、ごくまれにインプラント周辺に軽い熱感や違和感を感じることがあります。
このような場合は、絶対に無理をせず、すぐに検査技師へ知らせましょう。
🛑 違和感を感じたときの対処方法
- 検査中に配布されるブザー(非常停止ボタン)を押す
- 会話が可能な検査室であれば、声で伝える
- 我慢せず、異変を感じたら即中断して相談を
ただし、現在使われているチタン製インプラントでは、このようなトラブルはほとんど報告されていません。
あくまで「万が一」に備えた意識として、覚えておいていただければ安心です。
検査前に確認すべきチェックリスト
MRI検査前に準備しておくと安心なポイントを、以下にまとめました。
📝 MRI検査前チェックリスト
- ✅ 歯科インプラントが入っていることを問診票に記入
- ✅ 治療を受けた歯科医院で「インプラントの材質・メーカー」を確認しておく
- ✅ インプラントカード(あれば)を持参
- ✅ インプラント以外の金属(銀歯、ブリッジ、磁石付き義歯など)があれば申告
- ✅ 過去にMRI検査で問題がなかったかを思い出しておく
とくに「どの歯にインプラントが入っているか」「いつ治療したか」など、簡単な情報をメモしておくとスムーズです。
また、検査が初めての場合は、不安をそのまま伝えるのもOK!
医療スタッフが丁寧に対応してくれます。
8.インプラント治療後に安心してMRIを受けるためのポイント
安心して検査を受けるためには、いくつかの“事前準備”や“情報の共有”がカギになります。
事前に歯科医院と連携を取る重要性
MRI検査を受ける際には、まず「インプラントが入っていること」を正しく申告することが最も大切です。
とはいえ、患者様ご自身で「どこの歯に、どんなインプラントが入っているか」をすべて説明するのは難しいですよね。
そんなときに役立つのが、治療を行った歯科医院との情報共有です。
🦷 歯科医院に相談するメリット
- インプラントの「材質」「メーカー」「設置場所」などを正確に把握できる
- 必要に応じて、医療機関宛ての説明書類や証明書の発行が可能
- 画像診断での注意点など、事前にアドバイスをもらえる
画像診断の精度を高めるための工夫
MRIは磁場を利用して体の内部を映し出す検査です。
インプラント自体が検査に大きな悪影響を及ぼすことはほとんどありませんが、稀に画像の一部に“ノイズ”が入る(アーチファクト)ことがあります。
これは特に、脳や顔周り、顎関節などインプラントに近い部位の撮影で起こることがあります。
ただし、最近のMRI装置では精度も上がっており、医師側も金属によるノイズを回避する設定を選択できます。
そのためにも、患者様からの正確な情報提供がとても大切なんです。
💡 画像精度を保つためにできること
- インプラントの位置を明確に申告
- 医師や放射線技師に歯科金属の有無を伝える
- 必要に応じて、撮影の角度や設定を調整してもらう
検査をスムーズに進めるためにも、一言「インプラントが入っています」と伝えることが重要です。
インプラント治療と全身の健康管理
インプラントはお口の中の治療ですが、全身の健康との関係も深いということをご存じでしょうか?
たとえば――
- 噛む力が回復することで、栄養バランスの良い食事がとれる
- 噛む刺激が脳を活性化し、認知症の予防にもつながるという研究も
- 自信をもって笑えることで、メンタル面の健康維持にも貢献
一方で、MRIのような全身検査を安全に受けられる状態を保つことも、インプラント患者様にとってはとても大切です。
👩⚕️ インプラント治療後の健康管理ポイント
- 定期的な歯科メンテナンス(インプラント周囲炎の予防)
- 全身の病気や治療歴を歯科医にも共有する
- 新たな検査や治療が必要になったときは、歯科と医科の両方に相談を
「お口の健康は、体の健康とつながっている」という意識をもっていただけると嬉しいです。
インプラント治療を受けたあとも、安心して医療機関での検査や治療を受けていただけるよう、私たち歯科医院は患者様の健康をトータルでサポートしてまいります。
9.インプラント治療を考えている方へ ~将来のMRI検査を見据えて
「インプラントにしようか悩んでいるけど、将来MRIが必要になったときに大丈夫かな?」
そんなご不安を感じている患者様も少なくありません。特にご年齢を重ねていくと、脳や体の詳しい検査としてMRIを受ける機会も増えていくかと思います。
現在主流のインプラントはMRI検査に対応しており、ほとんどのケースで安心して治療を受けていただけます。
ただし、将来を見据えてインプラントを選ぶことは、患者様ご自身の安心にもつながります。
MRI検査を考慮したインプラント治療の選択肢
MRIは強い磁力を使って体内の状態を画像化する検査ですが、インプラントの素材によってはごく一部で影響が出ることがあります。
とはいえ、現在日本で広く使われているチタン製インプラントは、非磁性体(磁気に反応しない金属)なので、MRIに大きな影響を与えることはほとんどありません。
🔸 将来のMRIに安心なインプラントの特徴
- チタンまたは純チタン製(MRIで影響が出にくい)
- 信頼あるメーカー・日本で広く使用されているもの
- インプラントカードで素材や型番が明確に記録されている
治療前に知っておくべきインプラントの種類
インプラントと一口に言っても、実はいくつかの種類があります。MRIを意識するうえで、素材に注目することが重要です。
🦷 主なインプラント素材と特徴
素材 |
MRIへの影響 |
特徴 |
チタン |
◎ ほぼ影響なし |
非磁性金属、安全性・耐久性に優れる |
チタン合金 |
◯ わずかに影響する可能性あり |
軽くて丈夫、広く使用されている |
ジルコニア(メタルフリー) |
◎ 影響なし |
審美性が高く、金属アレルギー対応にも◎ |
磁性金属(特殊例) |
△ MRIに不向き |
一部の古い製品に存在、現在はほぼ使用されない |
ジルコニアインプラントはMRIにもまったく影響がなく安心ですが、適応症例が限られるため、担当医と相談して選ぶことが大切です。
「MRIに影響しないインプラントがあるなら、安心して治療に踏み切れそう」そんなふうに思っていただけたら嬉しいです。
10.よくある質問
「インプラントが入っているけど、MRIって受けても大丈夫?」
「画像が乱れるって聞いたけど、どうすればいいの?」
こうしたご質問を、インプラント治療を受けた患者様からよくいただきます。
ここでは、実際によくあるご相談内容をピックアップしながら、安心してMRI検査を受けていただくためのポイントをわかりやすくご紹介します。
Q1.MRI検査前に歯科医院で確認するべきことは?
A1.MRI検査を受ける予定があるとき、まず歯科医院で確認しておくと安心な項目がいくつかあります。
🦷 確認すべきポイント
- インプラントの材質は何か?(チタン?ジルコニア?)
- インプラントメーカー名と型番(検査機関に伝える際に便利)
- インプラントが入っている場所(上顎か下顎か)
- 治療を受けた時期と医院名(紹介が必要な場合のため)
Q2.インプラントがMRI画像に影響を与える場合の対処法は?
A2.インプラントがMRI画像に与える影響は、主に“画像の一部にノイズ(アーチファクト)が出る”という点です。
これは主に頭部や顎、顔面などインプラントの近くを撮影する際に見られる可能性があります。
ただし、以下のような対応で、画像への影響は最小限に抑えることが可能です。
💡 対処方法
- 検査機関にインプラントの場所を伝える
- 検査装置や設定を調整してもらう(ノイズを回避する技術あり)
- 必要に応じて、他の撮影法(CTや超音波)への切り替えも検討
なお、腰や腹部など、お口から離れた部位のMRI検査では、ほとんど影響はありません。
Q3.インプラント治療をしていると特別な手続きが必要になる?
A3.MRI検査にあたって、インプラント治療を受けていることを申告する必要はありますが、特別な手続きが必要になることは基本的にありません。
ただし、申告内容によっては以下のような準備が役立ちます。
✅検査前に準備しておくと安心なもの
- インプラントカードや治療記録
- 歯科医院からの説明書や証明書
- 検査部位とインプラントの位置の関係を簡単に伝えられるメモ
申告さえきちんと行っていれば、通常のMRI検査と変わらず、スムーズに進められます。
Q4.セラミックや銀歯など、インプラント以外の歯科治療も影響しますか?
A4.はい、影響が出る可能性があります。特に保険治療で使われる銀歯(パラジウム合金など)や、磁石付きの入れ歯などはMRI画像にノイズが出る原因になることがあります。
インプラント以外にも金属がある場合は、検査前にすべて申告することが大切です。
インプラント治療を受けた後、「MRI検査を受けても大丈夫なの?」と不安に感じる患者様は少なくありません。ですが、現在主流のチタン製インプラントは、MRIに対して安全性が高く、ほとんどのケースで問題なく検査を受けることができます。
とはいえ、万が一のためにも――
- 検査前にインプラントが入っていることを医師に伝えること
- 治療を受けた歯科医院で素材やメーカーを確認しておくこと
- 不安があれば気軽に相談すること
このようなちょっとした準備が、より安心・安全な検査につながります。
インプラント治療はお口の健康を守るだけでなく、将来の医療とも深く関わる治療です。
『 東京審美インプラント治療ガイド:監修 松本デンタルオフィス東京 』
監修:松本デンタルオフィス東京
所在地:東京都東大和市清原4丁目10−27 M‐ONEビル 2F
電話:042-569-8127
*監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス
院長 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
*所属学会
・日本補綴歯科学会
・日本口腔インプラント学会
・日本歯科審美学会
・日本顎咬合学会
*スタディグループ
・5-D Japan
・Esthetic Explores
詳しいプロフィールはこちらより