こんにちは。松本デンタルオフィス東京です。
喫煙習慣がある方にとって、インプラント治療を検討する際に気になるのは「本当に大丈夫なのか?」という点ではないでしょうか。タバコが健康に悪影響を与えることは広く知られていますが、インプラント治療においても喫煙が大きなリスク要因となることは意外と知られていません。
実は、喫煙は インプラントの成功率を下げる 可能性があるのです。骨との結合がうまくいかなかったり、術後の治りが遅くなったりと、さまざまなリスクが生じます。しかし、適切な対策を取ることで、喫煙者でもインプラント治療を成功に導くことは可能です。
今回は、「喫煙者がインプラント治療を受ける際に気をつけるべきポイント」「禁煙が難しい場合にできるリスク管理」「電子タバコなら影響はないのか?」など、喫煙者が知っておくべき情報を解説していきます。
インプラントを長持ちさせるために、今できることから始めてみませんか?
1.こんなお悩みありませんか?
「インプラント治療を考えているけれど、タバコが影響するって本当?」
「禁煙しないとインプラントはできないの?」
「タバコを吸っていても、インプラントを長持ちさせる方法はある?」
喫煙習慣がある方の中には、インプラント治療が可能なのか、成功率に影響があるのか心配されている方も多いのではないでしょうか?実は、喫煙はインプラントの成功率や長持ちするかどうかに大きく関わる要素の一つです。しかし、必ずしも「喫煙者はインプラント治療ができない」というわけではありません。
2.喫煙者でもインプラント治療は受けられる?
喫煙をされている方の中には、「タバコを吸っていてもインプラント治療はできるの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか?結論から言うと、喫煙者でもインプラント治療を受けることは可能です。しかし、タバコがインプラントの成功率に与える影響は無視できず、しっかりとリスクを理解し、適切な対策を取ることが重要になります。
喫煙者でもインプラント治療は可能?
インプラントは顎の骨と結合することで、天然の歯と同じようにしっかり噛むことができる治療法です。しかし、タバコを吸っていると、インプラントが骨と結合する「オッセオインテグレーション」のプロセスが妨げられる可能性があります。
それでも、しっかりとした診断とケアを行うことで、喫煙者でもインプラントを成功させることは可能です。
どの程度の喫煙がリスクになるのか?
タバコの影響は、本数や喫煙歴によって異なります。
📌 リスクの度合いと喫煙量の関係
- 1日10本未満:影響は少ないが、術後のケアを徹底する必要あり
- 1日10~20本程度:オッセオインテグレーションが妨げられる可能性が高まる
- 1日20本以上(ヘビースモーカー):成功率が低下し、治療後の合併症リスクが高くなる
喫煙の影響は個人差がありますが、本数が多くなるほど、インプラントの失敗リスクも高くなるということを知っておきましょう。
ヘビースモーカーでもインプラント治療を受けられる?
1日20本以上タバコを吸うヘビースモーカーの方でも、条件次第ではインプラント治療を受けることが可能です。
🔹 インプラント治療を受けるための条件 🔹
✔ 術前に喫煙習慣を見直す(できれば減煙または禁煙)
✔ 歯周病や口腔環境を事前にしっかり整える
✔ 術後のケアを徹底し、定期的に歯科医院でメンテナンスを受ける
ヘビースモーカーの方は特に、インプラントの成功率を上げるために、術前・術後のケアを丁寧に行うことが大切です。
タバコを吸っているからといって、インプラント治療を諦める必要はありません。ただし、喫煙によるリスクを理解し、できるだけ減煙・禁煙をすることが成功率を高めるポイントです。
3.喫煙がインプラントに及ぼす悪影響
タバコは健康に悪影響を及ぼすことは広く知られていますが、インプラント治療においてもリスクを高める要因になります。喫煙は、インプラントが骨としっかり結合するプロセス(オッセオインテグレーション)を妨げたり、術後の回復を遅らせたりすることがあるため、注意が必要です。
骨との結合がうまくいかないリスク
インプラント治療では、チタン製の人工歯根が顎の骨と結びつくことで安定し、しっかり噛める状態を作り出します。この骨との結合を「オッセオインテグレーション」と呼びますが、喫煙によってこのプロセスがうまく進まなくなることがあります。
🔹 喫煙による影響
- ✅血流の低下 → 骨に十分な酸素や栄養が届かなくなり、結合がスムーズに進まない
- ✅骨の再生力の低下 → インプラントを支える骨の回復が遅れる
- ✅免疫力の低下 → 傷の治りが悪くなり、細菌感染のリスクが上がる
そのため、喫煙者の方は非喫煙者に比べてインプラントが骨と結合しにくく、治療の成功率が低くなる可能性が高いのです。
インプラント周囲炎の発症率が高まる理由
インプラント治療後に気をつけなければならないのが、インプラント周囲炎と呼ばれる炎症です。これは、インプラントの周囲の組織が細菌感染を起こし、最悪の場合、インプラントが脱落してしまうこともある怖い病気です。
🔹 喫煙がインプラント周囲炎を引き起こす理由
- ✔タバコの煙に含まれる有害物質が歯茎にダメージを与える
- ✔血流が悪くなることで歯茎の抵抗力が低下する
- ✔唾液の分泌が減少し、口腔内の細菌が増えやすくなる
📌 喫煙者のインプラント周囲炎発症率は、非喫煙者の2~3倍ともいわれています。
このため、インプラントを長持ちさせるためには、できるだけ禁煙または減煙を検討することが大切です。
術後の傷の治りが遅くなるメカニズム
インプラント治療では、手術によって人工歯根を埋め込むため、術後の傷の治りがとても重要になります。しかし、喫煙を続けていると、傷の回復が遅れてしまうことがあります。
🔹 術後の治りが遅くなる原因
- ✔血管が収縮することで、傷口への酸素供給が不足
- ✔コラーゲンの生成が妨げられ、歯茎の再生が遅くなる
- ✔免疫力が低下し、細菌感染のリスクが高まる
これらの影響により、喫煙者の方は術後の腫れや痛みが長引きやすく、傷が完全に治るまでに時間がかかる傾向があります。
喫煙がインプラント治療に与えるリスクは決して小さくありません。しかし、しっかりと対策を取れば、喫煙者でもインプラントを成功させることは可能です。
4.インプラント成功率を高めるために禁煙が必要な理由
インプラント治療を長く安定して使うためには、禁煙または減煙が非常に重要です。喫煙は、インプラントの骨との結合を妨げるだけでなく、感染リスクや治療後のトラブルを引き起こしやすくします。では、具体的にどのような影響があるのか、詳しく見ていきましょう。
血流の改善で骨の結合を促進
インプラント治療の成功には、チタン製のインプラント体が顎の骨としっかり結びつく「オッセオインテグレーション」が不可欠です。しかし、喫煙によって血流が悪くなると、骨の回復力が低下し、インプラントと骨の結合がスムーズに進まなくなる可能性があります。
🔹 喫煙が血流に与える影響
- ✔血管が収縮し、酸素や栄養が骨に届きにくくなる
- ✔骨の再生に必要な細胞の活動が低下する
- ✔骨が弱くなり、インプラントがぐらつく原因になる
📌 禁煙することで血流が改善し、骨の回復力が向上するため、インプラントがしっかり固定されやすくなります。
インプラント周囲炎を防ぐための口腔環境改善
インプラントを長く維持するためには、「インプラント周囲炎」と呼ばれる感染症を防ぐことが重要です。これは、インプラントの周囲の歯ぐきや骨が炎症を起こし、最悪の場合、インプラントが脱落してしまう病気です。
🔹 喫煙がインプラント周囲炎を引き起こす理由
- ✔タバコの煙に含まれる有害物質が歯ぐきを刺激し、炎症を起こしやすくする
- ✔口の中が乾燥し、唾液の抗菌作用が低下する
- ✔歯ぐきの血流が悪くなり、細菌に対する抵抗力が落ちる
📌 喫煙者は非喫煙者に比べ、インプラント周囲炎の発症率が約2〜3倍高いといわれています。
➡️ 禁煙することで、歯ぐきの健康を維持し、インプラントを長持ちさせることができます。
禁煙することで治療の成功率が向上するデータ
喫煙がインプラントの成功率に与える影響は、さまざまな研究で明らかになっています。
🔹 研究データによるインプラントの成功率の違い
- ✔非喫煙者のインプラント成功率 → 約95%
- ✔喫煙者のインプラント成功率 → 約80%
- ✔ヘビースモーカー(1日10本以上)の成功率 → 約70%以下
このように、喫煙者は非喫煙者に比べてインプラントの成功率が約15〜25%低下することが分かっています。
📌 特に手術前後の1〜3ヶ月間禁煙することで、インプラントの定着率を向上させることができます。
インプラント治療を成功させるためには、禁煙が非常に重要なポイントになります。
もし禁煙が難しい場合でも、「手術の前後だけでも本数を減らす」「術後しばらくは禁煙する」などの対策を取ることで、インプラントの寿命を延ばすことができます。
5.インプラント治療前後の禁煙期間はどれくらい必要?
インプラント治療を成功させるためには、手術の前後に禁煙することがとても重要です。喫煙がインプラントに与える影響は、治療の成功率を左右するため、どのくらいの期間タバコを控えるべきなのかを知っておくことが大切です。
治療前に最低限必要な禁煙期間
インプラント手術の前には、少なくとも2週間以上の禁煙が推奨されています。
🔹 禁煙が必要な理由
- ✔血流を改善し、手術後の傷の治りを早める
- ✔インプラントと骨が結合しやすくなる
- ✔感染リスクを低下させる
📌 手術前に血流を良くしておくことで、骨の回復力が向上し、インプラントがしっかりと定着しやすくなります。
🚨 注意
特に、1日10本以上喫煙するヘビースモーカーの方は、より長い禁煙期間(1ヶ月以上)が推奨されることがあります。
治療後に喫煙を再開するリスク
手術が終わったからといって、すぐに喫煙を再開してしまうと、インプラントが骨と結合する過程(オッセオインテグレーション)に悪影響を及ぼす可能性があります。
🔹 喫煙再開による主なリスク
- ✔インプラントが骨と結合せず、失敗するリスクが高まる
- ✔術後の傷の治りが遅くなり、感染のリスクが高まる
- ✔インプラント周囲炎(インプラントの周りの炎症)を引き起こしやすくなる
📌 手術後も最低1〜3ヶ月は禁煙を続けることが推奨されています。
💡 「3ヶ月も禁煙するのは難しい…」という方へ
禁煙期間が短いと、インプラントの成功率が下がってしまうため、できるだけ長く喫煙を控えることが大切です。
禁煙が難しい場合の代替策
「どうしてもタバコがやめられない」「ストレスが溜まると吸いたくなる」という方もいると思います。そんな場合は、少しずつ禁煙に向けて工夫することが大切です。
🔹 こんな方法で禁煙をサポート!
✅ 電子タバコやニコチンパッチを活用する
➡ ニコチンの摂取量を徐々に減らしながら、禁煙に移行しやすくなる
✅ 歯科医院で相談し、禁煙サポートを受ける
➡ 医師や歯科衛生士と一緒に、無理のない禁煙計画を立てる
✅ ガムや飴を活用する
➡ 口寂しさを紛らわせることで、タバコの本数を減らす
📌 「完全に禁煙するのは無理でも、できるだけ減らす」ことが、インプラントの成功率を高めるポイントになります!
インプラント治療を成功させるためには、手術前後の禁煙が欠かせません。「喫煙しているからインプラントは無理かも…」と諦めずに、まずは歯科医院で相談してみてください。
6.電子タバコや加熱式タバコなら問題ない?
「紙巻きタバコはダメだとわかっているけど、電子タバコや加熱式タバコなら影響は少ないのでは?」と考えている患者様も多いのではないでしょうか? 実際のところ、電子タバコや加熱式タバコにもインプラント治療に悪影響を与えるリスクがあるため、注意が必要です。
紙巻きタバコとの違いと影響
電子タバコや加熱式タバコは、従来の紙巻きタバコとは異なる仕組みで煙を発生させます。
タバコの種類 |
特徴 |
インプラントへの影響 |
紙巻きタバコ |
タバコの葉を燃やして煙を吸う |
有害物質が多く、血流悪化・感染リスクが高い |
加熱式タバコ |
低温でタバコの葉を加熱して蒸気を発生 |
ニコチンや有害物質が含まれ、血流に影響を与える |
電子タバコ |
リキッドを加熱し蒸気を発生(ニコチンあり/なし) |
ニコチン入りなら血流に悪影響、ニコチンなしなら影響は少ない |
📌 結論
加熱式タバコや電子タバコは紙巻きタバコよりも有害物質が少ないとされていますが、インプラント治療へのリスクはゼロではありません。
ニコチンが含まれる場合のリスク
インプラント治療において最も問題になるのが、ニコチンの影響です。
🔹 ニコチンがインプラントに与える3つの悪影響
- ✅血流を悪化させる
- ニコチンが血管を収縮させ、インプラントと骨が結合するための血流を妨げる
- 傷の治りが遅くなる
- ✅骨との結合がうまくいかない
- オッセオインテグレーション(インプラントと骨の結合)が不十分になり、インプラントが定着しにくい
- ✅インプラント周囲炎のリスクが高まる
- 歯ぐきの血流が悪くなり、免疫機能が低下することで感染症(インプラント周囲炎)を引き起こしやすくなる
📌 結論
ニコチンが含まれている電子タバコや加熱式タバコは、紙巻きタバコと同様にインプラント治療の成功率を下げる要因となります。
加熱式タバコでも注意すべきポイント
加熱式タバコは「紙巻きタバコよりも害が少ない」と言われることもありますが、インプラント治療には十分な注意が必要です。
🔹 加熱式タバコの主な注意点
✅ ニコチンを含むものは避ける
➡ ニコチンは血流を悪化させ、インプラントの定着に悪影響を与える
✅ タールや有害物質がゼロではない
➡ 紙巻きタバコよりも有害物質は少ないが、歯ぐきへのダメージは完全にはなくならない
✅ 口腔内の乾燥を招く可能性がある
➡ 口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが上がる
📌 結論
「加熱式タバコなら大丈夫」と思いがちですが、インプラント治療にはリスクが伴うため、できるだけ禁煙することが理想です。
電子タバコや加熱式タバコは、紙巻きタバコと比べて有害物質が少ないものの、インプラント治療への影響はゼロではありません。
7.喫煙者がインプラント治療を受けるための対策
喫煙はインプラント治療の成功率を下げる大きな要因ですが、「どうしても禁煙が難しい…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか? そこで、禁煙が難しい方でもリスクを軽減しながらインプラントを長く維持するための対策をご紹介します。
禁煙が難しい方へのアドバイス
喫煙習慣があると、インプラントの定着が悪くなったり、インプラント周囲炎のリスクが高まることがわかっています。しかし、長年の習慣を突然やめるのは簡単ではありませんよね。
そこで、少しずつ喫煙を減らすための工夫を取り入れてみましょう!
🔹 まずは減煙からスタート
- ✅食後すぐの喫煙を控える → 術後は特に血流を良くするため、食後30分〜1時間はタバコを控える
- ✅起床直後の喫煙を減らす → 1日の最初のタバコを遅らせることで、吸う本数を自然に減らせる
- ✅代替品を活用する → ニコチンガムやニコチンパッチを使って少しずつ依存を減らす
📌 ポイント
完全禁煙が難しくても、「喫煙本数を減らすだけ」でもインプラントの成功率は上がります!
喫煙しながらでもリスクを軽減する方法
「どうしてもタバコをやめられない」という場合でも、インプラントの成功率を高めるためにできる対策があります。
- ✅術前・術後の一定期間は禁煙する
- 手術前 1週間 はできるだけ禁煙し、血流を良くしておく
- 術後 最低1カ月 は禁煙し、インプラントと骨の結合を助ける
-
- ✅歯ぐきの血流を良くする
- ビタミンCを摂取する(喫煙によって不足しがちな栄養素)
- 適度な運動をして血流を促進
- ✅口の中の乾燥を防ぐ
- こまめに水を飲み、口腔内の潤いを保つ
- タバコの影響で唾液が減るため、キシリトールガムを噛むのもおすすめ
📌 ポイント
喫煙による悪影響を完全になくすことは難しいですが、できるだけリスクを抑える工夫をすることで、インプラントを長持ちさせることができます。
喫煙者に適したインプラントのメンテナンス方法
喫煙していると、インプラントの周囲に汚れがたまりやすく、歯周病(インプラント周囲炎)のリスクが高くなるため、通常よりも徹底したケアが必要です。
🔹 喫煙者のためのインプラントケア 3つのポイント
- ✅毎日のセルフケアを徹底する
- 柔らかめの歯ブラシ を使用し、歯ぐきを傷つけないように優しく磨く
- デンタルフロスや歯間ブラシを活用 して、細かい汚れをしっかり除去する
- 抗菌作用のある洗口液 を使い、細菌の繁殖を防ぐ
-
- ✅定期的なプロフェッショナルクリーニングを受ける
- 3〜4カ月に1回は歯科医院でインプラント周囲のクリーニングを受ける
- 専門の器具を使って歯石やバイオフィルム(細菌の塊)を除去してもらう
- ✅歯ぐきの健康を意識する
- 喫煙によって血流が悪くなるため、歯ぐきの色が変わる・腫れるなどの異常がないかこまめにチェック
- 少しでも違和感があれば、すぐに歯科医院に相談する
📌 ポイント
喫煙者はインプラントのメンテナンスが非常に重要! 定期検診を欠かさず受けて、少しでも異変があれば早めに対処しましょう。
喫煙はインプラント治療にとって大きなリスクですが、完全に禁煙が難しい場合でも、リスクインプラントを長く快適に使うためには、喫煙習慣の見直しが欠かせません!
まずは、できる範囲から少しずつ対策を始めてみましょう。 ご不安なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
8.インプラント治療後に喫煙を続けるとどうなる?
インプラント治療が成功したとしても、喫煙を続けるとインプラントの寿命が短くなる可能性があります。治療後もタバコを吸い続けた場合、どのようなリスクがあるのか、また長持ちさせるためのポイントについて解説します。
インプラントの寿命が短くなるリスク
インプラントは天然の歯と違い、虫歯にはなりません。しかし、喫煙を続けることで「インプラント周囲炎」という歯周病のような症状が起こりやすくなり、インプラントの寿命を縮める原因になります。
🔹 喫煙がインプラントの寿命を縮める理由
①歯ぐきの血流が悪くなる → 骨の再生が遅れ、インプラントを支える力が弱くなる
②唾液の分泌が減る → 口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなる
③免疫力が低下する → 炎症が起こりやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まる
④骨が痩せるスピードが早くなる → インプラントを支える骨の密度が低下し、グラつきやすくなる
📌 ポイント
喫煙者のインプラント成功率は非喫煙者と比べて20〜30%低下するというデータもあります。特に術後1年以内の喫煙は、インプラントの定着を妨げる大きな要因になります。
再治療が必要になるケースとは?
喫煙を続けることで、せっかく埋め込んだインプラントがグラグラしたり、炎症が悪化して抜け落ちることもあります。その結果、再治療が必要になるケースもあります。
🔹 喫煙が原因で起こる再治療の例
🚨 インプラント周囲炎の悪化
- インプラントの周りの歯ぐきが腫れたり、膿がたまる
- 痛みや違和感が続き、最悪の場合はインプラントが抜ける
🚨 インプラントが骨と結合しない(オッセオインテグレーションの失敗)
- インプラントが骨にしっかり定着せず、動いてしまう
- 手術後数ヶ月経っても違和感が取れない場合は、インプラントを抜いてやり直す必要がある
🚨 インプラントの脱落・グラつき
- 長年の喫煙によって顎の骨が痩せ、インプラントが支えきれなくなる
- 骨の再生手術(骨造成)を行い、インプラントを再埋入しなければならないことも
📌 ポイント
インプラントのやり直しは、費用も時間もかかるため、できるだけ避けたいものです。インプラントを長持ちさせるためには、治療後の喫煙習慣の見直しが重要になります。
せっかくのインプラントを長持ちさせるコツ
喫煙を続けると、せっかく入れたインプラントが早くダメになってしまう可能性があります。しかし、「完全に禁煙するのは難しい…」という方もいると思います。そんな場合は、少しずつでも改善していきましょう!
🔹 インプラントを長持ちさせるためにできること
①喫煙本数を減らす → 少しでもタバコの本数を減らすだけで、インプラントの寿命は延びる
②術後3〜6ヶ月は禁煙する → 特に手術直後の喫煙はNG! インプラントと骨がしっかり結合するまでの期間は控える
③口腔ケアを徹底する → 毎日の歯磨き+デンタルフロス+歯間ブラシで、細菌の繁殖を防ぐ
④定期的に歯科検診を受ける → 3〜4ヶ月に1回は歯科医院でクリーニングを受け、トラブルを早期発見
⑤バランスの良い食事を心がける → ビタミンCやカルシウムを摂取し、歯ぐきと骨を健康に保つ
📌 ポイント
「タバコをやめるのが難しい」という方も、本数を減らしたり、定期的なメンテナンスを徹底することでリスクを軽減できます。
インプラント治療後も喫煙を続けると、インプラントの寿命が短くなったり、再治療が必要になるリスクが高まることがわかっています。
9.喫煙とインプラント保証制度の関係とは?
インプラント治療を受ける際、「保証制度」があることを重視する患者様も多いと思います。しかし、喫煙が原因で保証が適用されないケースもあることをご存じでしょうか?ここでは、喫煙がインプラントの保証制度にどのように影響するのか、また保証を受けるための対策について解説します。
喫煙者はインプラント保証の対象外になることがある?
インプラントの保証制度は、万が一のトラブルに備えるためのものですが、喫煙が原因で適用外になる場合があります。これは、喫煙がインプラントの定着を妨げ、寿命を縮めるリスクを高めるためです。
📌 保証の適用外になる可能性があるケース
- ✔手術後に喫煙を続けたことで、インプラントが骨と結合しなかった
- ✔インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)が進行し、インプラントが脱落した
- ✔歯ぐきや顎の骨が痩せてインプラントが不安定になった
- ✔術後の禁煙指導を守らなかったことで、傷の治りが悪くなりトラブルが発生した
🔹 ポイント
喫煙はインプラントの失敗リスクを高めるため、保証の条件として「非喫煙者であること」を求めるクリニックもあります。そのため、事前に保証内容をしっかり確認しておくことが大切です。
どのような条件で保証が適用されなくなるのか?
インプラントの保証制度は、クリニックごとに異なりますが、多くの場合、喫煙によるトラブルは保証の対象外となります。
🔹 保証が適用されなくなる主な条件
🚨 術後の指示を守らなかった場合
- 手術後に「一定期間の禁煙」を指示されたのに、守らなかった
- 術後の定期検診を怠り、口腔環境の悪化が進行した
🚨 生活習慣が原因でトラブルが起きた場合
- 喫煙が原因でインプラント周囲炎が悪化した
- 喫煙によって骨の密度が低下し、インプラントが安定しなくなった
🚨 自分の不注意による破損や脱落
- 強い衝撃や噛みしめによってインプラントが破損した
- 歯ぎしりや食いしばりを放置していた
📌 ポイント
保証を受けるためには、歯科医院が指示するメンテナンスや生活習慣の改善をしっかり守ることが前提になります。
保証を受けるためにできる対策
喫煙者でも、適切な対策を講じることで、保証の対象となる可能性を高めることができます。
🔹 保証を受けるために気をつけるポイント
✅術前・術後の禁煙を徹底する
- 少なくとも手術の2週間前〜術後3ヶ月は禁煙を心がける
- 禁煙が難しい場合は、禁煙補助アイテム(ニコチンパッチやガム)を活用する
✅定期的なメンテナンスを欠かさない
- 最低でも3〜6ヶ月ごとに歯科検診を受ける
- 歯周病リスクを減らすためにプロのクリーニングを受ける
✅毎日のセルフケアを徹底する
- 歯磨き+デンタルフロス+歯間ブラシを習慣化する
- 禁煙が難しい場合は、喫煙後にしっかり口をゆすぐ
✅保証内容を事前にしっかり確認する
- 喫煙者でも保証の対象になるかどうか、事前に確認
- 条件付きで保証が適用されるケースもあるため、細かくチェック
📌 ポイント
「喫煙=絶対に保証対象外」というわけではありませんが、トラブルを避けるためにも、できるだけ禁煙やリスク管理を徹底することが大切です。
喫煙は、インプラントの成功率を低下させるだけでなく、保証制度の適用外になる原因にもなります。せっかくのインプラントを守るために、術後のケアをしっかり行い、必要な対策をとることが重要です!
10.よくある質問
インプラント治療を検討している喫煙者の方から、「禁煙しないと治療を受けられないの?」「喫煙すると成功率が下がるって本当?」といった疑問をよくいただきます。ここでは、喫煙者でもインプラント治療を受けられる条件や、成功率を高めるためのポイントについて解説します。
Q1.喫煙者でもインプラント治療ができる条件は?
A1.喫煙していても、すべての方がインプラント治療を受けられないわけではありません。ただし、リスクが高まるため、いくつかの条件をクリアすることが重要になります。
📌 インプラント治療を受けられる主な条件
①歯ぐきと顎の骨の状態が良好であること
- 歯周病が進行していない
- 顎の骨の厚みが十分にある(骨が痩せていると、インプラントの固定が難しくなる)
②術前・術後の一定期間は禁煙できること
- 最低でも手術前後の1週間~2週間は禁煙することが推奨される
- 可能であれば、インプラントが定着するまでの3~6ヶ月は禁煙するのが理想
③口腔ケアを徹底し、定期的に歯科検診を受けること
- 毎日の歯磨きやフロス、洗口液を活用して清潔な口腔環境を維持する
- 定期的なメンテナンスを怠らない(最低でも3~6ヶ月ごとに歯科医院でチェックを受ける)
🔹 ポイント
完全に禁煙できなくても、手術前後の一定期間はタバコを控えることで、リスクを減らし、治療の成功率を上げることができます。
Q2.禁煙しないとインプラント治療を受けられない?
A2.喫煙者でもインプラント治療を受けることは可能ですが、成功率が低くなるリスクがあります。 そのため、多くの歯科医院では 「少なくとも手術の前後は禁煙すること」 を推奨しています。
📌 なぜ禁煙が推奨されるのか?
🚨 インプラントの定着(オッセオインテグレーション)がうまくいかない可能性
- タバコのニコチンが血流を悪くし、骨とインプラントの結合を妨げる
🚨 傷の治りが遅くなる
- 喫煙により血流が悪くなり、術後の回復が遅れる
🚨 インプラント周囲炎(インプラントの歯周病)になりやすい
- 喫煙者は歯ぐきの免疫力が低下し、細菌感染のリスクが高まる
📌 完全に禁煙できない場合の対策
✔電子タバコやニコチンパッチを活用して徐々に本数を減らす
✔どうしてもタバコを吸いたくなったら、禁煙ガムや飴などで代替する
✔喫煙後は必ずうがいをし、口の中を清潔に保つ
🔹 ポイント
手術の前後は特に重要な時期なので、最低でも1週間~2週間の禁煙を目標にしましょう!
Q3.喫煙者のインプラントの成功率はどれくらい?
A3.インプラント治療の成功率は、一般的に90~95%と言われていますが、喫煙者の場合は成功率が低下することが分かっています。
📌 喫煙者と非喫煙者の成功率の比較
- 非喫煙者のインプラント成功率:90~95%
- 喫煙者のインプラント成功率:80~85%(場合によっては75%以下になることも)
🚨 喫煙者の成功率が下がる主な原因
①骨とインプラントの結合が弱くなる → オッセオインテグレーションが妨げられる
②歯ぐきの血流が悪くなり、治癒が遅れる → 傷の治りが遅く、感染リスクが高まる
③インプラント周囲炎のリスクが2~3倍高くなる → インプラントが抜け落ちる原因になる
📌 成功率を上げるためにできること
✔手術前後はできるだけ禁煙する(最低1週間~2週間、可能なら3~6ヶ月)
✔しっかりと口腔ケアを行い、歯科医院での定期メンテナンスを受ける
✔血流を改善するために、栄養バランスの良い食事を心がける
🔹 ポイント
喫煙しているとインプラントの成功率が下がるのは事実ですが、適切なケアを行えば成功率を上げることも可能です!
インプラント治療は、見た目の自然さとしっかり噛める機能性を兼ね備えた治療法ですが、喫煙は治療の成功率に大きな影響を与えます。喫煙者でも、適切なケアと対策を行うことで、インプラントを長く快適に使うことができます。
インプラント治療を検討しているが、喫煙の影響が気になる場合は、まずは専門の歯科医に相談し、自分に合った治療プランを立てることが大切。ライフスタイルに合わせた方法を選び、インプラントを安心して使い続けられるように準備を整えましょう!
『 東京審美インプラント治療ガイド:監修 松本デンタルオフィス東京 』
監修:松本デンタルオフィス東京
所在地:東京都東大和市清原4丁目10−27 M‐ONEビル 2F
電話:042-569-8127
*監修者
医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス
院長 松本圭史
*経歴
2005年 日本大学歯学部卒業。2005年 日本大学歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 入局。
2006年 日本大学歯学部大学院 入学。2010年 同上 卒業。
2010年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 助教
2013年 日本大学歯学部歯学部歯科補綴学第Ⅲ講座 専修医
2016年 医療法人社団桜風会 松本デンタルオフィス 新規開院
*所属学会
・日本補綴歯科学会
・日本口腔インプラント学会
・日本歯科審美学会
・日本顎咬合学会
*スタディグループ
・5-D Japan
・Esthetic Explores
詳しいプロフィールはこちらより